木造の日本建築に興味があり、インターネットでそのような家を建てている建築事務所を探していました。ちょうどその頃、豊山町にいい土地が見つかり、豊山町出身でしかも木の家を得意とする永井さんのホームページを見つけました。これはなにかのご縁と思い、すぐに連絡を取り、私たちの家づくりがはじまりました。

まず、実際に建てた家を見てもらいたいということで（その施主さまのご厚意で）永井さんと工務店の大工さんが、木の家の良さや特徴、木の性質まで、その木造のお宅を紹介しながら熱心に説明してくれたことを覚えています。

そして、私たちがお願いしたイメージは”美濃にあるような町家”でした。数ある私たちの要望に、様々な提案をしてくれる永井さんとは毎週のようにメールや対面で打ち合わせを重ねました。中でも苦労したのが、キッチン周りの間取りや動線でした。システムキッチンは一般的に高額なのでカウンターキッチンや棚などは大工さんや建具屋さんがリーズナブルで唯一無二なものを作り上げてくれました。限られた予算の中で、様々な可能性の追求や妥協点の提案を親身になり、しっかりやってくれるところが建築事務所の魅力だと思います。私（施主）の心残りは、仕事の都合で棟上げに立ち合えなかったことです。さぞ迫力があり感動的であったことでしょう。

あれから早いもので６年が経とうとしていますが、玄関戸から家に入ると、今でも木のいい香りがしています。　敬具

Ｎ．Ｏ．様、お手紙どうもありがとうございます。一緒に打ち合わせを重ねさせて頂いたおかげで、外観だけでなく、室内も町家の良さを活かした無駄のないプランになってよかったです。丸太組みの見える吹き抜けのある大空間にはペレットストーブも大活躍のようですね。これからも町家スタイルのこの家で、ご家族の様々な物語が紡がれていくことを祈っています。

永井政光建築設計事務所　永井 政光