漆喰のメリット
漆喰は、内壁外壁共に最もおすすめの仕上材の一つです。近年、自然素材に対するニーズが高まり、合成樹脂の入った漆喰調の仕上材が増えてきましたが、当事務所がおすすめしているのはそういった合成樹脂の入った漆喰調の漆喰ではなく、昔から神社仏閣や西欧で使われてきた、本物の漆喰です。
そういった本物の漆喰の良さはいくつも挙げることが出来ます。一つは健康に良いことです。化学的な素材は入っていませんので本当に健康に安心です。そして、調湿性能に優れていることです。効果を実感するのは、結露のしにくさを目の当たりにした時です。季節ごとに、そして梅雨などの環境ごとに、空間の湿度をコントロールしてくれます。他のメリットとしては、見た目の良さが挙げられます。同じ白でも、塗装やクロスの白とは質感や光沢感がかなり異なります。別の言い方をすれば、清浄な感じがするとも言えます。
漆喰の注意点
本物の漆喰は総合的にはとてもおすすめの仕上材です。ですが、やはりメリットもあれば注意点もあります。注意点の一つ目は汚れについてです。珈琲が少しだけ飛び散ったりなどの軽い付着物であれば、意外に消しゴムで消えます。また、消しゴムで消えない汚れであっても、番手の細かい紙やすりでこすって頂くと大抵の汚れは消えます。(ただ、逆に周辺の漆喰部より新品のように白くなりすぎるので注意がひつようです。)ですが、例えばお子さんが油性マジックで落書きしてしまうなどのしみ込んだ汚れは落とすのが困難です。その場合、下地のボードごとやり替えになります。他の注意点としましては、下地ボードのボードとボードの継ぎ目にクラックがおきやすい点です。しっかり施工していても起きることは往々にしてあります。さらには、樹脂の入った漆喰とは異なり、塗るのが難しいため左官屋さんの技術が問われます。左官屋さんなら誰でも塗れるとは思わない方がいいです。あと、柱と漆喰の端部(ちり部分)などの境界部に、多少の隙間が空いてしまうことが多いです。これは漆喰が乾いた際の収縮によるもので、どうしても多少はおきてしまうことが多いです。こういったデメリットがどうしても受け入れられない場合は、近年では非常に質感の高い漆喰調のクロスもありますので、そちらを選ばれた方がいいのかもしれません。