よくテレビで「100年住宅・高機能住宅」という言葉を耳にします。鉄骨造や高気密住宅、全館空調…確かに良いなと思うことはありますが、今の住宅は流行にばかり目がいてしまい、1年も経てば流行遅れの古い家となってしまうと思います。

私の思う「100年住宅」とは一緒に良い歳を取ってくれる家です。木には季節に応じた温もりや涼しさ安心感があります。それは昔から変わらずこれからも変わることはありません。日本には四季があり、それに合った家がある。それが木の家なんだと、私は思います。家は何度も造れません。大抵の人が一生に一度です。せっかくなら歳を増すごとに味の出るような、一緒に歳を取ってくれる家を造りたいと思っていました。

そんな時、丸真ケンチクさんの家にお邪魔する機会があり、一目で「あー、私たちの思っていた家はこーゆー家だ。」と思いました。木の香り、自然光が入った時の空間の温もり…初めてお邪魔した家でお昼寝をしてしまう程、とっても居心地の良い家でした。永井さんと丸真ケンチクさんの家づくりに対する想いは「真っ直ぐ」です。妥協の無い、プロとしてのプライドをしっかり持った方々が造る家なら、きっと100年安心して住める、そして一緒に良い歳を取っていけるだろうと思いました。

実際に建てる工程を見ていても一つ一つの作業がとても丁寧です。私の夫は元々ハウスメーカーで勤めていたこともあり、いやらしくも細かく見ていましたが、ハウスメーカーでは出来ない材料の使い方や大工作業をしていて、文句のつけようがありませんでした。笑

それは永井さんの設計でも同じです。永井さんはとってもとっても優しいお人柄です。私達は今まで永井さんが造ってきた家とは少し違うイメージを思い描いていたのですが、難しい顔一つせず、何度も私達の思いに耳を傾けて下さいました。私達は素人で理想ばかりをぶつけてしまいます。予算もあるので、出来ることは限られています。無理なこともたくさんある中、切り捨てるのではなくどーしたら予算に合ってイメージを形にできるのか一緒に考え、現実的な物にして下さいます。妥協するところとこだわるところを導いて下さったのも永井さんで、改めて永井さんの凄さを実感しました。例えば平屋にしたいが予算が合わなかった時は、せめて平屋に見えるような家を提案して下さいました。ある時永井さんが「どんな小さな事、無理だと思う事も話して下さい。私も一緒にお二人のイメージを鮮明にしてできる限り形にしていきたいと思っているので。」と言われた時は永井さんに出逢えて本当に良かったなと思いました。

設計が終わり、建築中でも「不安なことはありますか？」と連絡して下さったり、わざわざ名古屋から岐阜の山奥まで足を運んで下さり、相談に乗って下さいます。建築中は頭の中で描いているイメージが実際に形になろうとしている時、本当にこれでいいのかすごく不安になります。私達は、特に梁の高さやクロスの色、部屋の広さが不安だったのですが、プロとしての考えで安心させて下さり、現状後悔することなく、むしろ満足するものになっています。

私達が言いやすい環境を作ってくださるのも永井さんの優しさです。ハウスメーカーの設計士は図面を描くだけのところも多いみたいですが、永井さんは図面だけでなく、建具やクロス、キッチン、カーテンなど全てにおいてトータルで設計してもらえるので、すごく心強いです。

先月（R2.12月）に完成し、住み心地は最高です。完成後たくさんの人が来てくれましたが、みなさんが口を揃えて「なんだこの居心地の良さは！」と言われます。私達の生活スタイルに合った広さ・環境・動線…何度も何度も永井さんと話して決めたことが一つ一つ形となり、イメージ通りそれ以上の空間ができました。

これから5年10年30年とこの家と一緒に歳を取るのが楽しみです。その時は永井さんとこの空間を楽しみたいと思います。

私達の声を読んでくださった方。是非来て下さい！

Ｙ．Ｎ．様、お手紙どうもありがとうございます。無事ご入居され、満足のいく家づくりになったようでよかったです。平屋のような外観プロポーションや居心地のいい居間、使い勝手のいいファミリークローゼットなど、限られたスペースの中で当初の夢がたくさん叶いましたね。今までのどの家の設計も私にとって楽しい思い出ですが、Ｙ．Ｎ．様は私と空間に対する価値観が近いためか、より楽しく設計させて頂きました。これからも、ご家族の様々な物語がこの家で紡がれていくことを祈っています。

永井政光建築設計事務所　永井 政光