• 2026年10月20日

五番目の目的地、ラトゥーレット修道院(設計:ル・コルビュジエ)

ラトゥーレット修道院(設計:ル・コルビュジエ)外観

五番目の目的地、ラトゥーレット修道院(設計:ル・コルビュジエ)

五番目の目的地、ラトゥーレット修道院(設計:ル・コルビュジエ) 1024 683 愛知県で自然素材の家なら永井政光建築設計事務所

ボーヌの翌日は、美食の街として知られるリヨンに行きました。リヨンに行った1番の目的は、リヨン近郊にあるコルビュジェが設計したラトゥーレット修道院を観ることです。

リヨンでは、ホテルではなく人生初のアパートメントを借りてみました。が、このことがリヨン初日を慌ただしくしました。

このアパートメントが特殊なのかもしれませんが、チェックインという概念がないようで、玄関ホールとは別の場所に各部屋の宅配ボックスのようなものがあって、その一つの宅配ボックスの中のキーボックスにダイヤルを合わせて私の部屋の鍵を受け取る、という仕組みのようでした。メールでいただいていた文章を読んでもそのように理解ができず、アパートメントに着いてもどうやって鍵を受け取って、どうやって部屋に入っていいか分からず困り果てていました。

そうこうしている間に時は流れ、予約していたラトゥーレット修道院の見学ツアーに参加するために向かわなければいけない時間が刻一刻と迫ってきていました。

そんな時、同じアパートメントに住んでいる中東風の風貌の青年(フランス語しか話せないフランス人)が助けてくれました。アパートメントの管理者から私に届いたメールをその方に見てもらい、鍵はここにあるはずで、ダイヤル番号はこうだろうと試行錯誤してくれたのですが、その方でもなかなかそのキーケースらしきものを開けられない…そんな難しいことアパートメント初体験の僕にできるわけないじゃないか…

20分くらい格闘したでしょうか、そうこうしてる間に、ついに開いた!と青年が微笑んでくれました。(旅先ではいつも色々な方に親切にしてもらって本当にらありがたい限りです。)

そんなこんなでやっと部屋に入ることができ、スーツケースを部屋に置き、急いでラトゥーレット修道院に向かったのでした。

向かったのは既にお昼時。ゆっくり食べている時間もなく、駅で足早に買ったラップサンドを昼食としました。

ラトゥーレット修道院の最寄り駅がローカル線らしく、今まで購入していたチケットマシーンにその駅名が出てこず、駅員さんにあれこれ聞いて、悪戦苦闘で駅の中でもかなり離れた場所にあることが分かり、そんなこんなで最寄り駅に着いたら、ロンシャン礼拝堂のごとく30分坂道を登って登って、やっとラトゥーレット修道院に無事辿り着きました。

日本で予約していた見学ツアーに無事参加できたのですが、苦労した甲斐あって、思っていた以上に素晴らしい建築でした。

写真では少し暗めに見えると思いますが、内部空間はどこも明るくて抜け感があり、気持ちのいい空間になっていました。特に聖堂は、入った瞬間息を呑みました。簡素であるにもかかわらず、というよりむしろ簡素であるからこそ、大胆で効果的なな光の取り込みにより厳かで神秘的な感じさえ受けました。(「コルビュジェ 理念と形態」という本を事前に読んでおいたので、より理解が深まったと思います。余談ですが、この本は大学でお世話になっている中村研一先生が翻訳をされている本です。672ページもある大著なのですが手に取ってみました。本質的な深いところを切り込んでいて、コルビュジェの決定版といえる一冊だと思いますので、興味のある方にはおすすめできます。)ラトゥーレット修道院はロンシャン礼拝堂とは対極的に、コルビュジエらしい直線で構成されたデザインです。予算の関係もあり、かなり簡素な建築です。そして、その中で最後まで削らずに生き残ったデザインが、よりその効果を引き立たせてくれたと思います。

あらためて、いかにコルビュジェが偉大な建築家か実感しました。観れて本当によかったです。

外観ファサード
1層目2層目3層目がそれぞれデザイン的に文節されており、簡素でありながら効果的にデザインしている
1960年竣工
現代でも通用するデザインで、あらためてコルビュジエの偉大さを感じました
コルビュジエがオンデュラトワールと呼んだ不規則な縦格子が、外観にも効果的な表情を与えている
写真の左側にある塊が聖堂を構成する外壁
写真下部の円柱部分が、バズーカーのごとく聖堂に大胆に光を注ぐ
アプローチ修道院らしく、閉じた雰囲気を演出
エントランス部分にある受付事務所
ホール
室内から見るオンデュラトワールも美しい
床からガラス面が立上り、解放感に満ちている
写真で見るよりずっと明るくて気持ちのいい空間でした
中庭を介して窓を
階段の足元灯
階段に少しくり抜かれている穴
ちょっとしたことですが、光を取り込み、空間的な連続感が生み出されている
ドアの取っ手部分が、可愛らしく黒色に塗られている
聖堂へ向かう廊下
緩やかな下りのスロープになっており、天井はそれ以上に段々とさがっていく
聖なる空間へ演出のようだ

聖堂と廊下をつなぐ扉
聖堂から見た、聖堂へ向かう廊下
巨大な円柱の光
この厳かな光の効果は、きっとこの空間を体験した者にしかわからないであろう
階段を上がると祭壇
光の円柱を見上げる
側面からの採光
ゴシック建築のごとく高い天井に、簡素でかつ大胆な採光がとられている
ラトゥーレット修道院に行く道中、時間がない中で駅で食べたサラダラップ
結構おいしかった