• 2021年2月21日

ホテルライクな洗面室

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ホテルライクな洗面室

ホテルライクな洗面室 683 1024 愛知県で自然素材の家なら永井政光建築設計事務所

 毎日よく使う部屋の一つに洗面室があります。歯を磨いたり、お化粧をしたり、髭を剃ったり、お風呂に入るために服を脱いだりと、意外に日々の日常で使う頻度の高い空間です。そんな洗面室をワンランク上の上質な空間にすることは、暮らしを豊かにする上で大切なことの一つではないでしょうか。

 私の事務所でよく取り入れる仕様の一つは、シンプルな大きな鏡を洗面器の前に一枚設けることです。小細工のないシンプルな鏡は金額的にも意外とお値打ちで、それでいて上質なホテルのようなリッチな雰囲気になり、かつ、空間が広く感じられます。

 あと、洗面室の色々な箇所に無垢の木を使うことも上質でリラックスできる空間をつくる上でおすすめです。洗面器に隣接した一枚板のカウンターのように水がよく付く部位には艶消しのウレタン塗装をすることで、木の質感や木目を活かしつつ、水染みができにくい仕様になっています。(ちなみに今回の天板は、無垢のウォールナットの一枚板で、着色はせず、ウォールナットの素のままの色です。)また、一般的によく誤解されているのですが、合板や突板ではない無垢の木であれば、水に濡れても簡単には腐ったり悪くなったりしません。特に広葉樹系の無垢板は、床のフローリングとして洗面室に使っても、10年以上前に建てさせて頂いた施主さま宅を訪問しても悪くなっておらず、意外に思われるかもしれませんが劣化という点でも安心です。

 また、収納棚も造り付けで設けておけばスッキリとした空間になりますので、設計の段階でよく検討しておきたいポイントの一つです。さらには明かりを採り、湿気を逃がし、風の動線をつくる窓の配置も重要です。たかが洗面室、されど洗面室。なかなか奥が深いものですね。(ちなみに、この写真は「GRAY HOUSE/岐阜県瑞浪市」の洗面室です。)